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栄光の岩壁

14 10月 14
AB
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高校時代、友人と行った冬の八ヶ岳で遭難し友人を失くしている。

この際、両足指の全てを凍傷で失いながらも日本の山岳界を引っ張って行った人である。
短くなった足から「五文足」のアルピニストと呼ばれたがその登攀はハンディを感じさせないスゴイものだった。

RCCⅡの創立にも加わり、数々の記録を残りている。
昭和32年の前穂高岳V峰正面壁積雪期初登攀や本場ヨーロッパに出掛け、日本人としてのマッターホルン北壁初登攀を成し遂げている。
新田次郎の小説『栄光の岩壁』のモデルとしても知られる。

また文や絵を良くし、著書『山靴の音』は旧稿や新編共に山の古典となっている。
いずれも私の蔵書の中にある本だ。
画家としても活躍し、多才ぶりを発揮していた山の世界では有名人である。

享年80歳は山屋としては長生きだろう。
山で亡くなることなく天寿を全うしたのだと思う。
最初の『山靴の音』を読んだ頃はまだ学生で小西政継氏の足指切断と共に障害を負いながらも山へかける情熱に感動した覚えがある。
一時代どころか戦後のアルピニズムが日本で勃興した頃に活躍された人がいなくなってしまったのは寂しい。